「ぼうず、ホントによく泣いたよなぁ!」涙、涙、涙の教習所通い
一人目の子どもがまだ9ヶ月の赤ちゃんだった頃、
主人が、「やっぱり…車が欲しいなー!」と言い出した。
中型免許しか持っていなかった私は
「それなら、私もクルマの免許がないと宝の持ち腐れだよねぇ。」
と教習所に通う事になった。
子どもを預かってくれる、頼れるジジババはいなかったが、
幸い最寄りの教習所には ”託児ルーム” が完備されていたので、問題なく子連れで通所できた。
さらに、入所申し込みをしに行くと、さすがは地元。
受け付けは小学校の時の後輩の女性、教官は小学生の時の同級生だった。
しかも当時から温厚で男女みんなから慕われていたS浦くんが担当教官になってくれた。
後輩の女性はキャンセルが出ればすぐ予約を入れてくれるし、
本当に恵まれた中でスタートする事ができた。
ところが。
ところがだ…。
問題なのは…、我が子!
人見知りの時期がまだ続いてたからか、
託児ルームのおばちゃんがどんなにやさしくあやしても、
室内用ブランコに乗せても、
私が1時間教習なら1時間。
2時間教習なら2時間、
『ぅあぁあぁああ〜〜〜〜〜〜ん、ぅあぁぁあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」
ずぅ〜〜っと泣きっぱなし…なのだ。
その悲しくも力強い泣き声は教習所中に響きわたっていた様で、
教習が終わり、
託児ルームにお迎えに行くと疲労困ぱいの託児ルームのおばちゃん以外にも、
バスの送迎のおじちゃんやら、その他教習所職員の誰かしらが入れ替わり立ち代わりして、絶叫する我が子をあやしてくれていた…。(ほんとスイマセン…汗)
結局、地元パワーの援護射撃のおかげで
指定の時間通りキッチリ卒業する事ができ、教習所最後の日。
いつも通り子連れで送迎の帰りのバスを待っていたら、
なんと託児ルームのおばちゃんやバスのおじちゃん、
受付の後輩の女性とみんなが送りに出て来てくれた!
「ぼうず、ホントによく泣いたよな〜!」
「あの声が聞けないと思うと寂しいね〜…!」
「安全運転で子育てがんばってね!」
私に抱っこされてご満悦の長男と私に、
みなさんが次々に声をかけてくれて、
なんだか本当の学校の卒業のように胸が熱くなった。
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とかく子育ては母親の”がんばり” に委ねられるシーンが多いかもしれないが、
(もちろん頑張るところは頑張るんだけど)
勇気を出して甘えてしまう事も、
ひょっとしたら周りの「シアワセ」になっているのかもしれない。
(と思ってやっていた私は実は『確信犯』?…(笑)
という事で、あれから20年。
あんなに泣いていた我が子も今年は21歳。
たくさんの人に可愛がられてきただけあって今では人見知りなどなく(笑)
朗らかな、いい青年になりました。
おじちゃん、おばちゃん、教習所のみなさん、
本当にありがとう。